百折不屈

そば焼き・そばめし・モダン焼専門店

 

 

 

 

 ■由来

 

 

 

 その昔、長田の海っぺりに、黒くて巨大な円柱状のガスタンクがありました。そのただならぬ圧倒的な存在感は、子供の頃の私のまさに「圧倒的な何か」でありました。

 

 そのガスタンクが並ぶ前の通りを地元の人らは「長田タンク筋」(ながたタンクすじ)と名づけました。

 

日本一のお好み焼店密集地といわれる神戸の長田

 

 このお好み焼の聖地を海側から南北に分けてド真ん中に走る大動脈たる道こそ、「長田タンク筋」なのであります。

 

 地図にも載らないその地元民だけの呼称は、タンクの撤去とともに死語となりつつありました。

 

 しかし、タンク筋はこの偉大なるお好み焼文化の聖地を貫くメインストリートの名前であるばかりか、私の中で生き続ける古き良き昭和の象徴そのものであり、長田が隆盛を極めた時代の偉大さそのものでもありました。

 

 愛すべきこの言葉を風化させることなく、我が街の味と魂を広め、私を育んでくれたこの街に恩返ししていこうと誓い、この名を我が店名に刻みました。

 

 

 

 

 

 

 

 ■長田のお好み焼店

 

 新長田駅1km四方だけで鉄板こなもん店70軒以上が乱立する世界一のお好み焼密集地、長田区。戦前より続く老舗の有名お好み焼店から、看板すら掲げていない謎のお好み焼店まで、 一町一丁に何件ものお好み焼屋がひしめき合う、この街のお好み焼は、日本3大お好み焼の一つ「神戸長田焼」としてとして 世に知られてきました。

 

 クレープ状に焼かれた生地にキャベツと具材を乗せ焼き上げるシンプルな味は、大阪や広島のそれとは全く違う、クリスピーでライト な食感。いわゆる一銭洋食や、にくてんといわれるお好み焼の原型とされるDNAをストレートに引き継いだ 長田のお好み焼は、正当進化系お好み焼として長年、地場産業であるケミカル産業のミシン工さん や貼り工、 裁断工等の職人さんを中心に愛されてきました。

 

 長田のお好み焼屋は、その殆どが東京や地方の一部の都市で見られるような駄菓子屋の延長 的なものではなく、子供が学校帰りに友達と気軽に立ち寄るような場所でもありませんでした。

 

 その客層の殆どが、技術にうるさい下町のおばちゃんやおっちゃんであり、そんなおばちゃんやおっちゃんに囲まれながら鉄板の前で、お好み焼と格闘しつつ、どうでもエエ話に花を咲かす、一つの社交場的空間が長田のお好み焼屋でありました。

 

 庶民の街、職人の街である長田。喧嘩っぱやくてお人よし、情にアツくて口うるさく、安くて美味いが当たり前の世界を常識とする長田人。このスパルタンな人々に叩かれ選ばれ鍛え抜かれ、長田のお好み焼屋は強靭な進化を遂げ、そばめしや、モダン焼きに代表される独自の文化的発明を生み出してきました。

 

  美味いだけなら当たり前。美味くて安くないと許してくれない舌の肥えた 、うるさすぎる人々を相手に、長田のお好み焼屋さんは、今日も叩かれ鍛え抜かれながら、その歴史を背負い、お好み焼の大激戦区の中、健闘しているのです。

 

 
 

 

 

 ■長田のそば焼き
 

 

  長田ではいわゆる「ソースヤキソバ」を古くから「焼きそば」ではなく、「そば焼き」と称してきました。古くある老舗や、こだわりのあるお店はいまだにこの言葉を大事に使っています。

 

 理由については不明ですが、カレーライスをライスカレーというのと同じで古き良きものを大切にしたい長田人の想いがそこにあるように思います。

 

 長田のそば焼きは基本、決して茹でません。茹でた麺を、もう一度焼く焼き方をして、「長田」を冠するお店 が全国展開してしまっていますが、それは決して長田式でも長田風でもありません。 長田では、基本、中太のストレート麺を約2段階のソースとキャベツの水分だけで焼く焼き方が主流であり 、長田そば焼きの間違ったイメージが全国に広まってしまいつつあることには長田人として正直とまどいを感じます。

 

 また、長田そば焼きは、基本的に、紅しょうがやにんじん、タマネギなどは決していれません。 もし入れたらそれは「オカンの家庭ヤキソバ」という別モノとしてやや蔑称気味に表現されます。

 

 ある意味オーソドックスな原始的なそば焼きこそ、長田のそば焼きスタイルです。そして、ここに明石の蛸や大貝などの瀬戸内の幸、そして牛スジなどを自由オプションとして選択して入れてもらうのが主な スタイルです。

 

 ソースは、(店にもよりますが、)主にスパイシーなものが主に使われ、他県の人によっては、やや酸味を感じる味付けが特徴となります。

 特に有名なドロ(ソース)はそのスパイシーさの最たるもので、長田では多くのお好み焼き店にあっては、普段は貴重で高価なため裏ソースとして、店の奥まったところにそっと置かれていわれたら出されるというスタイルで大概隠れています。

 大阪と長田が大きく違う点として、マヨネーズがあります。長田では決してお好み焼きはもちろんそば焼きにマヨネーズをかけることをヨシとしないため、店にマヨネーズを置いてすらない店が大半であり、マヨネーズがないかどうかを尋ねただけでヨソモノとみなされます。

 

 

 

 ■当店のそば焼き
 

 

  当店の基本のそば焼きの焼き方は、キャベツとソースの水分だけで焼く伝統の長田そば焼きで、伝統と人気の中太ストレート麺を主軸に、オプションとして太麺ストレートをご用意いたしております。

 

 具材は、キャベツ以外何も入れない「素そば焼」をはじめ、超人気の「牛スジぼかっけ」や長田のホルモン、漁師さんから直接買い付ける「明石の蛸」などをトッピングとしてオプションにしております。

 

 また本来なら、隠したい程、高価で希少なオリジナルのドロソース(当店ではドラソース)等を全席に設置しておりますので辛いのに強い人は挑戦してみてください。また、長田では邪道とされるマヨネーズも当店ではあえてアリにしています。あまりオススメはしませんが、どうしてもという方はご遠慮なくお尋ね下さい。

 

 また隠しアイテム(調味料)として、店員さんに言ってくれた人だけに出す「秘伝のカラシマヨネーズ」や「辛いノン」などをご用意しており、運がよければつけてお召し上がり頂く事ができます。(店頭にはおいてないので、店員に申しつけ下さい)

 

 常連さんや一部のマニアしか知らない通の味を本ホームページを見た人だけは味わうことが出来ます。

 

 

 

 ■当店の 目指す方向
 

 

  そばめしやモダン焼きや牛スジぼっかけを生み出した自由で反骨気質のある街でありながら、長田はあらゆる意味で、 その反作用として保守的になりつつあります。

 

 これは歴史や文化が成熟しつつある証拠でもあると想うのですが、同時に古き良きを愛するあまり過去への固執が始まっていると私は判断しています。

 

 下町の伝統の味に満足するだけでなく、時代の変化に耳を傾けながら新しいものへと挑戦していく姿勢こそ、今、求められているものでないかと強く感じています。

 

 チャールズダーウィンは名著「進化論」の中でこう記しています。

 

 種が生き残る為に必要なことは、 最も「強い」ものではなく、 最も、「賢い」ものでもなく、 最も「変化」したものである。

 

 古き良き長田を愛する者として、私は長田の伝統の味を大事に守りつつも、全く新しい前人未到の挑戦をしていくこと。

 

 それこそが、真の意味で長田の名を世に示し、轟かせる事であり、同時に、我が店の使命であると信じております。

 

 従いまして、当店は「もっとも長田らしく、もっとも長田らしくない店」をモットーに、反骨と王道という相容れない二つを並行させながら、をそば焼きでできる限界、まだ見ぬ「長田そば焼き道」の地平線の彼方へ、ブッチぎりでいってみたいと思っています。

 

 

 

長田生まれ長田育ちの私

長田の鉄板バカ一代が

全精力をかけて、「本当の長田の味」を

愛する長田の名にかけて

極め尽くします。